労務管理・経営(社労士の選び方)

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社労士の選び方とは?

社労士と言っても、単に手続き業務しかしない社労士さんから、労務管理だけでなく、会社組織構築、人事評価制度までコンサル業務行えるレベルの高い社労士さんまで様々です。また、助成金申請業務を専門とする社労士もあれば、助成金は受託しない社労士もいます。さらに、労務紛争に関与しない社労士も少なくありません。このように得意分野や専門分野も様々です。

ですから、どういった社労士さんに依頼するかは、値段だけで比べると、どこも同じに見えることがありますが、実は社労士業界を知っている内側の人間としては、まったく違います!と言いたいです。

社労士事務所選びがうまくいかなかった場合

残念ながら、社労士さん選びがあまりうまくいかなかったために、こんなことになっていないでしょうか?

・残業代請求等を受け、負けてしまうリスクを孕んだ状態で放置されている就業規則 

賃金制度について、社労士事務所から積極的にアドバイスが受けられなかったためにちぐはぐ。

 そのため、従業員の満足度が低い制度のまま

従業員の定着度が低いのに社労士事務所から積極的にアドバイスが無い

使える助成金の定期的なアドバイスが社労士事務所から無い

・顧問料と銘打っているのに、ほぼ面談や助言が無い

・社労士事務所トップの社労士は優秀かもしれないけれども、実際の担当スタッフのレベルが十分でなく、上からのフォローも無さそうなため、顧問料を支払っているが、単なる作業の外注になっている

社労士事務所が大所帯なため、担当が定期的に変わるなどして、同じような質問を、担当が変わるたびにされ時間が無駄になっている等(あまりクライアントのことを考えていないが、マーケティング上手で拡大路線なため、事務所が実力以上に魅力的、立派に見えるが、実際頼んでみると杜撰)

といった例が少なからず見受けられますので、ポイントを押さえて社労士さん探しをしたいものですね。

社労士業務の得意分野に注目

次に、社労士業務を難易度順で並べてみます。

①紛争時の労務問題対応(残業代請求、ハラスメント、解雇、雇止め、労働組合対応)

②生産性向上のための労務管理(人事評価制度、組織論)

③法令遵守のための労務管理(労務管理・就業規則・賃金制度)

④助成金・補助金

社会保険手続き代行・給与計算 

上記①から⑤はそれぞれ異なる分野です。

すべてについて精通している社労士は少ないです。

したがって、自社のニーズに対応できる社労士を探すのがお勧めです。

ほとんどの介護事業所にとっては、紛争を想定して、会社の実態に即した就業規則を作成し、紛争を予防することが非常に重要ですので、上記③の分野についても、単に形式的に法令遵守するだけでなく、紛争を予防する観点から助言してくれる社労士に依頼することをお勧めします。

なお、上記①については労務問題に精通した弁護士に相談した方が良いケースがほとんどです。弁護士であれば、あらゆる紛争について、交渉や裁判の代理人として活動できますが、社労士の場合はそうではありません。

安かろう悪かろう、ならまだ納得できますが、変化の激しい介護業界において、ニーズがマッチしていない、ということも大いにあり得ますので、その点、見極めたいものです。

IT化が進んでいるかどうか

そして、IT化が進んでいるかどうかも大きなポイントです。

何故なら、IT化が進んでいない旧来型の事務所(文書はFAXか郵送・ことあるごとに社労士事務所まで行く必要がある・メールでのやり取りがメインで、どこに何が書いてあるのか分かりにくい)では、ご想像の通り、人海戦術ですので、人件費が無駄に高い構造かもしれません。

そこで、月々の代行手数料も、こういった場合、質が良いから高い、のではなく、些末なことに時間がかかっているから人件費がかさみ、結果として料金が高いだけ、だからかもしれないのです。

平成29年度の申請等手続きのオンライン利用率は全体で48.3 %となっています。思っているより世の中はオンライン化されています。

つまり、オンライン申請が出来ない=人海戦術のため無駄に高い=クライアントである会社組織のことをあまり考えられていない、と推察してもおかしくない、というわけです。

社労士が行う業務の難易度

社労士が行う業務について、以下に挙げておきますので、どのようなものが御社に必要かどうかを判断する上で参考になさって下さいね。

手続き代行(1号業務)・・・難易度中レベル

社労士しか行うことができない独占業務に、1号業務に分類される手続き代行があります。

健康保険雇用保険厚生年金などに関連する書類を作成し、労働基準監督署などの行政官庁へと提出する代行をする業務です。

一つ一つを全部事業所内(事業所の奥様やベテラン事務員さん)でしようとすると、思ったより時間がかかり、その都度、何が必要なのかを調べる時間もかかり、提出書類も複雑なため、社労士事務所に任せてしまった方がはるかに精神的、時間的負担が違いますので、ただの手続きを思わずに依頼されることをお勧めします。

労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成(2号業務)・・・難易度高レベル

就業規則労働者名簿賃金台帳などが「労働社会保険諸法令に基づいて作成すべき帳簿書類」にあたります。

ここで気を付けたいのは就業規則です。

会社組織立ち上げの際に、社労士さんにもらった就業規則のままで、現在まで会社組織を運営してしまっている、ということはないでしょうか?

残念ながら、こんなパターンのままではないでしょうか?

就業規則の典型的なひな型を用意され、そこに会社名や住所などを当てはめるだけの、組織の状況に見合っていない就業規則を初期に用意してもらった

社労士さんに提供された就業規則をとりあえず用意したんだから、会社として問題ない。だって社労士さんはプロだから。と考えて、そのまま、現在に至ってはいないでしょうか?

最近、会社組織を辞めた元従業員(あるいはやめようかと思っている従業員)からの残業代請求が頻発しています。

社労士さんでも、労働法に詳しく、きちんと会社組織の現状に則した規則を作成する力量のある事務所に依頼することを強くお勧めします。

人事労務管理のコンサルティング(3号業務)・・・難易度高レベル

働き方が、どの業界でも多様化していますが、特に、介護業界では従業員を正社員で確保することが難しいので、シフトを組み、色々な形態で雇用している従業員(アルバイト、派遣、正社員、契約社員等)が存在しています。

そこで、どのようなバランスで従業員を、違法状態にせず、気持ちよく働いてもらえる環境で雇い続けるか、が重要です。

従業員の満足度が高い⇒リラックスして笑顔で接する・身体的にも疲労が溜まっていないので重大なミスが減る⇒利用者の方々が安心してケアが受けられる⇒訴えられるリスクが低い

このような好循環が生まれますよね。

こういった、雇用主側だけでなく、従業員や、利用者の三方が満足できる環境を、労務管理を利用し、どのように形作っていくべきか、介護業界の特質を知っているプロ、なるだけ介護業界に特化しているプロに依頼するのがお勧めです。たかが労務管理、されど労務管理だと考えています。

助成金の申請・・・難易度中レベル

例えば事業所にパソコンを導入する際にも、助成金が使えたり、従業員に介護知識を高めてもらう際の講習費用、資格取得費用、妊娠出産に関する労務問題等に、ひょっとしたら利用できる助成金があるかもしれません。

日頃の社会保険手続きを通して、社労士が使える助成金に気づき御社に提案したり、あるいは、定期的な面談の際にアドバイスが受けられるような事務所を探してみてくださいね。

給与計算・勤怠管理・・・難易度易レベルだが、システム導入アドバイスは難易度中~高

実は、既に、勤怠管理➡給与計算・社会保険手続き➡会計システム 

これらはオンラインで一元化ができるようになっています。

予算と利用するスタッフにとって、無理のない範囲で、こういった管理業務を、どんなツールどのように使うべきか、どのタイミングで導入するか、などのサポートが受けられ、積極的にテレワークをはじめとした効率化のアドバイスを、当然のように受けられる社労士事務所を探したいところです。

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木蓮法律事務所
お問い合わせはこちらから TEL:092-753-8035 平日(土日祝除く)9:00~18:00メールでのお問い合わせ
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