これってセクハラに該当する?セクハラの定義と知っておくべき正しい対応方法
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セクハラとは
職場におけるセクシュアルハラスメントには以下の2つがあります。
「対価型セクシュアルハラスメント」=職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受けるもの
「環境型セクシュアルハラスメント」=当該性的な言動により労働者の就業環境が害されるもの
セクハラには、同性に対するものも含まれます。男性から女性に対するセクハラに限りません。女性から男性はもちろん、男性から男性に対するものもセクハラとなります。
被害者の性的指向又は性自認にかかわらず、セクハラとなりえます。
「職場」とは
事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれます。
訪問介護の移動中、利用者の自宅等であっても、当該労働者が業務を遂行する場所であれば職場に該当します。パワハラの場合と同様です。
なお、物理的な意味での会社の中はもちろん、仕事に関係していればセクハラとなりえます。仕事が終わった後の懇親会において、上司と部下との間で性的な言動があればセクハラとなりえます。
「労働者」とは
正規雇用労働者(正社員)のみならず 、パートタイム労働者 、契約社員、アルバイト等、非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者の全てをいいます。
労働時間、待遇を問いません。派遣社員も含まれます。
この点は、パワハラと同じですね。
「性的な言動」とは
「性的な言動」と言われても、抽象的過ぎてわかりにくいです。
具体的に紐解いていくと以下の内容となります。
・「性的な言動」=性的な内容の発言及び性的な行動
・「性的な内容の発言」=性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報を意図的に流布すること等
・「性的な行動」=性的な関係を強要すること、必要なく身体に触ること、わいせつな図画を配布すること等
注意すべきなのは、セクハラの主体は、労働者を雇用する事業主、上司、同僚だけでなく、取引先等の他の事業主、その雇用する労働者、顧客、患者又はその家族、学校における生徒等もなり得ます。したがって、介護サービスの利用者やその家族も対象になります。
セクハラは取引関係にも及ぶと理解すべきです。特に介護業界では、閉鎖された空間で仕事をすることが多く、セクハラが発生しやく、かつ、発生した場合に証人がいないことが多いという構造的な問題がありますので、職員の方が泣き寝入りしていないか配慮が必要です。
以上の説明は、厚生労働省が作成したハラスメント指針に基づくものです。セクシャルハラスメントに迷われたら、一読されることをおすすめしますが、具体的な事案では弁護士に相談されることを強くお勧めします 。
参考:事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(平成18 年厚生労働省告示第615 号)【令和2年6月1日適用】